Sidetracked concept album 「脱線」

その列車ジャケ_small


YouTube Music(無料)

 Apple Music >

Spotify >

Bandcamp(Download) >

※中村修人氏の音楽活動を応援したい方は是非こちらのBandcampダウンロード版(¥1000〜)をご購入ください。

 

LINER NOTES


どうも、中村修人です。
私、3rd「決別のステーション」と4th「その列車を止めるな」ではライナーノーツを、5th「エレクトリック線路WAY」では一部楽曲のミックスを、作曲合宿体験レポートや活動20周年記念インタビューも担当した秘密列車の被牽引車でございます。この度、満を持しての共同企画作「脱線」を制作させて頂きました。
そこに至る経緯と感想をつらつらと述べていこうと思います。

時は2021年4月、私は暇でした。
このまま腐って死ぬのかと精神的には三途の川を渡りかけていた時、ふと想ったのです。
今までどれだけ秘密列車の皆さんに良い経験と勉強をさせて頂いたかを。
今までどれだけ皆さんからの報酬で機材を購入してきたかを。
今までどれだけ特に理由もなく飯を奢らせたかを。

じゃあ何かお返ししないと地獄の業火に焼かれるべさ。せっかく暇なんだから、そういうことをやって死後は極楽浄土へ逝くべさ。
そこで私は以前ふと思い付いたものの放置していたアイデアを掘り起こし、皆さんに提案しました。「ボツ曲を集めてアルバムにしませんか?」と。

秘密列車の制作活動はとても特殊です。メンバー各々がお互いにテーマやジャンル、そして〆切をを課す…
言うなれば“大喜利”のような形式で強制的に作曲させ合うのです。(具体的には作曲合宿の記事に詳しいので是非御参照下さい。)

となると、その際のワードによってはどうしても“秘密列車らしくない曲”ができてしまうことも。具体的には相当ハードな曲だったり、心底暗かったり、実験的な要素が強かったりなど。
私はそうしたものの中にも素晴らしいデモがあることを知っておりました。付き合いが長い上、作曲合宿に部外者ながら面白半分で参加し激烈に痛い目を見た経験もございますし。
そういう、本来なら秘密列車のアルバムに入ることが適わない楽曲を集めてリリースしてしまいませんかと。

しかし上述したように収録候補曲は全てデモ、つまりは試作状態。ここから私めが完成された楽曲、そして完成されたアルバムに仕上げるまでの全工程をお引き受けしようじゃありませんか。
秘密列車は年末に忘年会で集まるのが慣例なので、その日に余興として発表会も開催しちゃいましょう。(一昨年はアレのためオンライン開催でした。)

皆さんがその提案を飲んで下さり、つまりは猶予8ヶ月、孤独な戦いの火蓋が切って落とされたのです。
この間にいくつかのお仕事を頂くことが奇跡的にできたため、間々中断を挟みつつも作業を続けた結果が本作「脱線」でございます。
タイトルはギターボーカルの青木さんが付けて下さいました。こんなにピッタリなチョイスもないでしょう!

しかし「いくらなんでもこれまでのアルバムと違い過ぎないか?」とお考えの紳士淑女の皆々様。
それは秘密列車の皆さんが「どういじっても文句は言わない。どんな内容でもリリースする。」と保証して下さったからに他なりません。デモを完成された楽曲へと昇華させる方法は私に一任とあらば、自分の色を存分に活かすしかないでしょう!
ハードな曲はよりハードに!暗い曲はより暗黒に!実験的な曲は研究所を大爆発させアフロになるが如く!

さて、ここで恐怖なのが秘密列車を愛聴される皆様は本作をどのように評価するのかという点です。「こんなん秘密列車じゃないやいプンプン!」とネットで個人情報を曝されてしまうのでしょうか?あくまで個人的な狙いですが、私の悪戯な提案により秘密列車が脱線、横転した結果その裏側、つまり“底力”を露にすることに成功したと考えております。だって秘密列車は結成から20年以上も経過しているのに、こんなにも多種多様な楽曲を日々生み出し続けているのですよ。
今回収録された8曲も厳選されたデモなので、ボツ曲はまだまだまだまだあるのです。ふとした疑問、今まで作った曲全部合わせたらどれくらいになるんでしょうかね…。軽く300曲は超えそう。

因みに5th「エレクトリック線路WAY」のライナーノーツを執筆した音楽なんでも屋Watasino氏に本作の感想を求めたところ、「クオリティは高い気がするが、めっちゃ変なアルバム」と一刀両断されたことを末尾に記しておきます。

2022.2.4. 中村修人(→Twitter)


恒例! 青木(Vo,G)による全曲解説


01.「粛清される午前2時」
Lyrics,Music:青木 / Arrangement:青木,中村修人
Vocal,Guitar,Programming:青木 / Bass,Programming:中村修人

お題となっていたブレイクビーツに挑戦したものの、「これはブレイクビーツではない」との御無体な批評でお蔵入りに。ブレイクビーツなんて知らないもんね。ウィキペディアで調べたよ。それによれば間違ってないんだがデジタル世代に言わせると違うらしい。いいんです。今回の脱線企画で無事拾ってもらいましたので!中村くんありがとう。
本アルバムの収録曲は、どれも「出来はいい」のに様々な理由(テーマに沿わない、秘密列車らしくない、難解過ぎる、企画物が過ぎる等)で表に出ることはなかった少し不幸な曲達。それらをミックスの奇才中村くんがチョちょっといじって、サクッとドラムを叩いたりしてアルバムにしちゃうんだからスゲーよね。中村くんありがとー、君はいい奴だ。今後脱線枠なるものができて、第二弾もできたら素敵よね。但し鼻から脱線狙いは趣旨と違うのでダメですからー。





02.「VOICE WORK」
Lyrics,Music:藤倉 / Arrangement:藤倉,中村修人
Vocal,Guitar:藤倉 / Drums,Bass:中村修人

これがボツ曲?ってくらいクオリティ高い仕上がりになっております。元祖ハードロック小僧爆発の瞬くんギターが素晴らしい。秘密列車のギターパート二人にはこの引出しはないからなあ。中村くんの生ドラムもベストマッチでこれまた脱線企画ならでは。ところで瞬くんっていっつも歌の世界ではかなり二枚目よな。





03.「コンセント」
Lyrics,Music:狩野,横関 / Arrangement:狩野,横関
Vocal,Programming:狩野,横関 / Effects:中村修人

狩野ダイゴロによる古い迷曲。ロシアでコンセントという激ムズお題に取り組んだばかりに、秘密列車史上最も取扱いの難しい曲と言っても過言ではありません。あくまで内輪でたまに聴いてクスリとする代物。脱線企画とはいえ陽の目を見る時が来るとは感無量。中村くんのレトロ調な味付けも見事!とはいえサビとかなかなかいいメロなんだよな。しっかりロシアだし。何故か最後はイタリア語だし。





04.「初恋」
Lyrics,Music:藤倉,高松 / Arrangement:藤倉,高松,中村修人
Vocal,Guitar,Chorus,Programming:高松 / Vocal,Keyboards,Trumpet:藤倉 / Effects,Programming:中村修人

青木イチ押しの切ない宇宙系ラブソング。あまりの企画物寄りな世界観故にお蔵入りとなってましたが、今回の脱線企画で見事な返り咲き!宇宙を舞台に、遥か地球への望郷の念に「初恋」を絡めるウルトラCをやってのけた宇宙兄弟(高松、瞬)に脱帽!中村くんもスペーシー感と甘酸っぱい感じを上手く両立させている。大変だったろうな。さすがです。





05.「閉じていく世界」
Lyrics,Music:高松 / Arrangement:高松,中村修人
Vocal,Guitar,Programming:高松 / Effects,Programming:中村修人

高松によるダークなエレクトロニカ。ジャンル的にもミックスの手腕が問われる方向性なだけに、本企画にはピッタリの曲ですね。やりたい方向性を中村くんがミックスで上手く膨らませてます。ヨッ職人!歌詞のテーマは重厚だなあ。輪廻ですね。 






06.「不当に傷つけられた者達への鎮魂歌」
Lyrics,Music:狩野M / Arrangement:狩野M,中村修人
Vocal,Keyboards,Programming,Chorus:狩野M / Drums,Percussion,Synthesizer:中村修人

オリジナルでこれ作ってくるって凄くないですか。マジで。通ってきた音楽道があまりに違うのか、マキちゃんの曲は初聴でなかなか理解できないことが多いけど、これは凄い。もしかして天才なの?荘厳な世界観を中村くんが上手く味付けしてますね。もはや神々しい。





07.「実験曲」
Lyrics,Music:藤倉,横関 / Arrangement:藤倉,横関,中村修人
Vocal,Guitar,Programming:藤倉,横関 / Programming,Effects,Noise:中村修人

これぞ脱線!って感じの攻めに攻めた一曲。タイトルを裏切らない実験性!中村くんも腕の振るい甲斐があったことでしょう。曲を切り刻んでコラージュしてく前衛的手法は、実はビートルズフリークには堪らない面も。想像力を掻き立てられながら感じてほしい。実験のその先を。





08.「夏休みの一日」
Lyrics,Music:青木 / Arrangement:青木,中村修人
Vocal,Guitar,Bass,Programming:青木 / Drums,Percussion,Chorus:中村修人

変拍子の和風プログレ。この感じ大好きなんです。変拍子を感じさせない和風の旋律がホラー感を醸し出しております。中村くんが生ドラムを叩いてくれたので、中盤の長いソロも間伸びせずに持たせられてますね。素晴らしい!デモでは真夏の公園に蝉の鳴き声を録りにいきバックに流してたんですが、SE嫌いの中村くんに切られたよ。チッ!






All songs Arrengement,Mix,Mastering: 中村修人
Artwork: Boogie Graphix

YouTube Music(無料)

 Apple Music >

Spotify >

Bandcamp(Download) >

※中村修人氏の音楽活動を応援したい方は是非こちらのBandcampダウンロード版(¥1000〜)をご購入ください。