秘密列車 INTERVIEW
#02 | 結成20年 “解散しない” バンド組織の運営術

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秘密列車 20th Anniversary
4th Album
「その列車を止めるな」RELEASE
SPECIAL INTERVIEW #02

4th Albumそのものにフォーカスした前回のインタビューから一転、今回は“バンド結成20周年”を主題に据え、秘密列車の隠された歴史を紐解いてみる。
無慈悲な時の流れにより、望まずとも様々に変化してしまう日常の最中、いかにして彼らは活動を維持し続けているのか。そして何故その歩みを停めないのか、率直に質問をぶつけてみた。
※秘密メンバーの秘密保持のため、メンバーの実名と顔写真は伏せています。

なお、このインタビュー企画は、前回 #01「羽ばたきを探して」今回「結成20年 “解散しない” バンド組織の運営術」、そして次回 #03「メンバーが語る秘密列車」の計3回にて構成される予定なので、更新分も含めお楽しみ頂きたい。

取材・文 :中村修人(Usual Name)
撮影: usa(Boogie Graphix)


4th Album 「その列車を止めるな」
先が見えない閉塞感ある世の中で、こんな時代だからこそできあがった、悲壮感の中に優しさ溢れる問題作。

その列車ジャケ_small

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#02 | 結成20年 “解散しない” バンド組織の運営術

メンバーみんなの秘密列車

__20周年という大きな節目をオリジナルメンバーであるAさんとKさんはどう捉えていらっしゃいますか。

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A氏/Vocal,Guitar担当 (以下:A):
俺が音楽を始めた10年後くらいから秘密列車やってるわけだけど、そんなに長いことやってる印象ないし…あっという間で恐ろしいよね。

K氏/Drums担当 (以下:K):
単純にみんなで時々集まって何かやるのが楽しいってだけでここまで続いてるね。もちろん嫌な時期もあったよ。昔は良い音楽を作らないとって必死になってたから。今はクオリティを落としてでもどんどん新しい曲を作ろうとしてる。

__変化の切っ掛けは何だったのでしょうか。

K: 12年くらい前にTさんが入ったことだね。

T氏/Guitar担当 (以下:T):
みんなスタジオで凄く悩んでてさ。曲作りながら全然良くないよこんなのなんて言ってるから、それならとっとと形にしちゃって次に行こうよって。どうしても一曲に集中してると疲れて飽きてきちゃうから、嫌になる前に終わらせて次に取り掛かろうっていうね。

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A: それまではもっとちゃんとバンドっぽかったよね。黙って俺の言うこと聞いてりゃいいんだみたいな若い時期もあったし…。でも今は俺のバンド扱いされたくない。メンバーみんなの秘密列車。

 

__その若く辛い時期はどう乗り切られたのでしょう。

K: 乗り切れなかったよ。俺、一回抜けちゃってるもん。

(一同笑)

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A: そう言えばKくんが居ない時期も一瞬あったね。

F氏/Trumpet,Sax,Guitar担当 (以下:F):
僕はTさんよりも後に正式加入したんですが、僕もその頃の雰囲気だったら居られなかったと思いますね…。それに今はすごくバンドとしての懐が深いんですよ。僕はジャズもファンクもロックも好きなのでいろんなデモを持っていくんですが、何でも受け入れてくれるのでやっぱり20年の醸造ってすごいなと。

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__でも、さすがにメタルやろうって話になったら皆さん困りますよね。

Y氏/Bass担当 (以下:Y):
既にやってます。

(一同笑)


秘密合宿2017でA氏Y氏チームの引き当てた作曲お題は
「変拍子な / メタリカ(っぽい曲) 」
歌詞テーマ 「黒」(BPM70-80指定)であった。


秘密合宿は年に一回、山中湖で開催。各自の事前課題曲の発表に始まり、合宿中は2,3人ずつのチームに分かれ、作曲開始からデモトラック録音完了までを3時間で行い、これをメンバーを総シャッフルし1日3セット行い、約1日で6曲のデモテープが完成する仕組み。帰りの車内が発表会となる。ガチの作曲ハッカソン的試みである。(つくったデモテープはすべてFacebookページで公開される)

F: 自分達のバンドで全然違うジャンルの曲をやれるっていうことを面白がってるところはありますよね。普通のバンドだったら、うちはそういうんじゃないからって言われてそれまでだと思いますけど。

K: だから一般の人にはかなり聴き苦しい曲もあるよね。でもそりゃあしょうがない。僕らが楽しいんだからそれでいいでしょう。

T: バンドメンバーとして守らなきゃいけないことと言えば、年末の忘年会に参加することくらい。

(一同笑)

T: でも、そこでいろいろ決まるんだよね、その場のノリで。合宿しようとか、このネタで作曲してみようとか。この前なんか演奏パート全員取っ替えてみようなんて話も出たし。みんな、自虐的な刺激を求めてる感じがあるよね。

A: そういう何かおもしろいことないっすか?

__…え、なぜ僕に聞くんですか?

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(一同笑)

 

続けていくにはルールが必要

__Aさんにとって活動の継続は容易なものでしょうか。

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A: いやいや、相当な気合が必要ですよ。家のベッドから体を起こしたら、その目の前にギターが掛かってるんだけどさ…。まあ、手が伸びないわけ。昔はいっつもギターを抱えてたけど、なかなかね、体力がさ。だからやっぱり続けていく上ではメンバーみんなで決めた〆切とか、できなかったら罰金とか。

(一同笑)

A: そういうものを作曲の衝動につなげていかないと、もう上手く続けていけないから。だからこそ自分を追い込む材料を自主的に作り出していくわけ。

__その材料が無くなれば随分と精神的に楽になると思うのですが。

T: 無くなっちゃうと終わっちゃうから。

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A: 一生終わらせないっていうのは絶対で、その上でどうしたら続けていけるかっていうことだね。

Y: やっぱり個人のモチベーションだけだと無理だよね。だからこそみんなで決めたルールとか企画とか、そういうのがすごく大切。

A: 自分から曲を作りたいと思って完成させて、メンバーにこんなのができたんだよって聴かせるなんていうのは、もうほぼない。そんな曲は最近だと「羽根」くらいなもんだよ。

__そこまでしてバンドを続けたい理由とは何なのでしょう。

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A: 終わらせたら終わっちゃうからじゃないかな。いやさ、みんな止めちゃってるじゃん、俺らの世代。

T: ここまで続けてる人ってなかなかいないよね。

A: そうなりたくないのよ。だって…格好悪いじゃん?

__その…年甲斐もなくまだ続けているという視点から、カッコ悪いと思われてしまうこともある気がするのですがいかがでしょう。

A: そのカッコ悪さはカッコいいから。


メンバーでいられて嬉しい

__最も新しいメンバーはMさんなんですよね。

M氏/Keyboards担当 (以下:M):
そうです。私にとって秘密列車は人生を救ってくれたバンドで…。

(一同驚)

T: 後から加入した我々(T,M,F,Y)はAのファンみたいなところがあるもんね。

M: いえ、私は別に…。

(一同笑)

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M: 人生に行き詰まってる時期があって…。バイトしかしてない日々で実家からも事情で出れず、自立も結婚もできず。そんな時に昔の軽音楽サークルの飲み会で皆さんに再会して、人生の苦境を相談したら合宿来ない?って誘って頂いて。最初こそ渡された曲を譜面通り演奏するだけのサポートメンバーでしたけどとっても楽しかったんです。だから正式なメンバーになりたいって言いたかったんですけど中々それが難しくて。

__それは何故でしょう。

M: いくら緩くやってる社会人バンドといっても、やっぱりずっと続けていらっしゃるからすごい上手なので、何年もブランクがある私なんかがって考えてたんです。だからメンバーになれた時は本当に嬉しかったし、メンバーでいられている今も嬉しいです。

__となると、ファンでなくとも憧れはあるように思います。逆に最古参であるKさんはいかがですか?

K: 俺?まあ、ファンではないね。

(一同笑)


今後はEDMに路線変更?

A: Tが言うにはもっと速い曲もやっていこうよって。だからジョギングから始めて体力つけないと…。

(一同笑)

T: 今回リリースした4th「その列車を止めるな」が今までやってきたフォークロック路線の集大成だしね。ガラッと音楽性が変わってもいい頃じゃないかな。

A: まあ、確かに飽きてきたよね。

T: 速い曲もそうだけど、MさんはEDM系が好きなのでピコピコしたのもやってみたい。

A: ピコピコしだしたらKくんは打ち込み担当になるの?そりゃずるいよ。俺と一緒ににジョギングして苦しんでくれないと。

(一同笑)

__次のアルバムはいつ頃になりそうでしょうか。

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T: いつ頃出そうっていう目標がそもそもないからね。

K: 新しい方向性も楽しみだけど、最近作った曲とか、メンバー各々でまだ発表してない曲もあるから、そういうのも早く出したい。

T: 秘密列車をバックバンドにFくんのソロアルバムを作るなんて話もあるんだよね。

A: Fくんの曲ってすごくいいんだけど秘密列車の曲とは混じりが悪いからね。

__完成したらインタビューさせて下さい。

A: お、いいっすか?お願いします!

__次回「メンバーが語る秘密列車」は10月下旬公開予定-

2019.10.5

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4th Album 「その列車を止めるな」

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